アーティスト・詩人である施主が住む、奥行の長い住戸の改修計画である。
決して広くはない面積を、居住者の生活スタイルに合わせて最大限活かせる計画を行った。
cameoとは、石や貝に彫り込まれた浮き彫り細工のこと。その凹凸が光を受けて初めて像は立体として現れる。
この住宅もまた、光と影によって空間の輪郭を描く。白く柔らかい木目、白灰色の壁——無彩色の色を抑えた室内では、時間とともに移ろう光の角度がそのまま空間の表情となる。朝と夕、晴れと曇り、それぞれの光が同じ部屋を異なる場所に変えていく。
壁一面に設けられた造作棚は先の開口部への奥行を強調し、陰影の連続をもたらし、部屋そのものがひとつの美しい「彫り物」となる。
撮影:高橋智彦
Previous
Next